2011年9月30日金曜日

藤原益栄(2002)『文学・歴史を読み解くための 暦のはなし』 頂いた感想④

仙台市 渡辺 襄 さん 日中友好協会宮城県連事務局長

 「暦のはなし」のサブタイトル「文学・歴史を読み解くため」にひかれて購入し、読み始めたら面白くてついつい一気読みしてしまいました。

 日頃お世話になっている暦が太陽暦であることは知ってはいても、そこに定まるまでにこんな歴史があったのかと目を開かされました。太陽暦がジュリアス・シーザーからはじまり、ついでローマ法王グレゴリオ十三世によってさらに精緻なものになるのには、復活祭を権威づける試みが深くかかわったというお話は興味をそそられました。…

 ところで、日本がグレゴリオ暦をとりいれたのは明治六年です。

 なぜそうなったのかの真相として藤原さんは、明治政府が月給を十三回はらわなければならないことに気がついて、当時の財政難からあわてて導入したという、ほとんどジョークに近いお話を大隈重信の回想録に語らせ、ついでに政府のお先棒をかついで「改暦弁」出版で大もうけをした福沢諭吉のエピソードまで鋭く言及しています。

 私としては「第八章『奥の細道』の時刻を考える」が面白いところでした。
 …ものは試し、六月二十四日に芭蕉ウォークといった歩け歩けの行事を企画して見たらけっこうイケるのではないかなどと「暦のはなし」を読んで夢を膨らませているところです。

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