「あらたまの年行きがへり春立たばまづわが屋戸にうぐひすは鳴け」。
この歌は大伴家持が天平宝字元年十二月十八日に詠んだ歌で、「うぐいすよ、立春になったらまず私のうちに来て鳴いておくれ」という意味。
翌十九日は立春だった。
旧暦で十二月に立春がくることを「年内立春」という。
旧暦の閏年(十三ヶ月の年)には必ずなり、翌年もなることがある。
ちなみに家持がこの歌を詠った日の現在暦は七五八年二月四日。
その家持、同月二十三日に「月数めばいまだ冬なりしかすがに霞たなびく春たちぬとか」と詠んだ。
「暦ではまだ冬だ。だが霞がたなびいている。春が来たのだろうか」という意味。
いったい春なのか冬なのか。どう理解すればよいのだろうか?
興味ある方は第六章を御覧下さい。
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