2011年9月30日金曜日

藤原益栄(2002)『文学・歴史を読み解くための 暦のはなし』 頂いた感想②③

岩手県  縣 二三男さん(元小中学校教員)

 教科書にも載るようになった「南部三閉伊一揆」は来年百五十周年。

 指導者らが仙台での交渉を終え、宮古に帰ったのは十一月十三日で「街道はもみじにうまっていた」とする本もある。しかし陽暦では「十二月十三日」。そういう景色ではなかったようだ。

 本書によって歴史的諸事件の情景把握と描写には暦の学習が不可欠と思い知らされた。子供の頃から物事を突き詰めて考える風があったが、工学部出身でありながらこういう本を著したことに驚いている。




多賀城市 三村雅水さん(文芸同人誌「東北山脈」主催)

 本書はサブタイトルに″文学・歴史を読み解くための″とあるように、我々のような小説を書いたり、読んだりする者にとっては、すぐに役立つ便利な本である。

 その上「暦で『万葉集』を読む」等応用編まで書き及ぶサービスぶり。

 「季節の変化はなぜ起こる」など前半部分は学術書の役割まで果たしている。

 本書は多彩にして緻密、発想は個性的で独自であり、他に類を見ない優れた著作である。

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